生理機能の不思議

食べるという行為は、「いただきます」のずっと手前から「ごちそうさま」にいたるまで、カラダの生理機能とココロの心理機能の両者によって支配されています。ハーマン博士らは、これを説明するために、「過食の境界モデル」を唱え、ベクトルの始点である左に空腹感、ベクトルの終点である右に満腹感を置き、腹感からさらに左に位置するとき人は不快感を覚え、摂食の開始を強く動機づけられ、満腹感からさらに右に位置するとき人は苦痛を感じ、摂食を停止するという行為に及ぶ、と説明しています。そして、「いただきます」と「ごちそうさま」の間、つまり空腹感と満腹感の間では、生理的要因よりは心理的要因によって摂食行動が支配されていると考えられています。たとえば、天7日のおすすめ」とか、天7朝、港で上がったネタ」とか、ココロを揺り動かされる情報によって追加注文してしまうような状況です。

 

また、このような食べものが持つ感覚属性、たとえば、見栄えが良い、耳に心地良い、香りや匂いが良い、風味や味つけが良い、といった感覚に訴える刺激に、敏感に反応する傾向は「外発反応性」と呼ばれています。肥満解消のための教育では、この「外発反応性」にヒントを得て、いろいろな視覚的教材を用いた体験学習が効果を上げています。たとぇば、「2。歳のときから比べると、体重はどれくらい増えましたか?」と聞いたとします。「増えた分のほとんどが体脂肪ですね」と、さらに情報を追加するとします。聞かれた方は、「10キロぐらいですよ」と答えます。そこで、身の回りのものから10キロに相当するものをイメージしてもらうのです。